小学校低学年くらいから呼吸に興味を持ってから、いろんな呼吸法に出会ってきた。
子供の時に呼吸法?って思われるかもしれないけれど、喘息持ちだったり、武術を学んでいたり、座禅に興味があった少年には呼吸は何か大切だと感じるのが自然だった。
深くて落ち着いた腹式呼吸と気合が入っている呼吸が良いと思っていた。
一つの正しい呼吸を求めていた。
ところが、いろんな呼吸法に出会って、研究しているうちに、「これが正しい呼吸法だ」ということはないと気がついてきた。
呼吸の達人がいるとしたら、その人の呼吸はどんなだろうか?
その時、その場に、最も適切な呼吸を無理せずに行っている人じゃないだろうか?
びっくりした時は、びっくりした呼吸、
悲しい時には、悲しい呼吸、
嬉しい時には、嬉しい呼吸、
静かにしている時には、本当に静かな呼吸を
無理なく自由にできている人じゃないかと思う。
決して、深くて長い呼吸をいつもしている人ではない。
楽しかったら、うーんと楽しい呼吸が良い。
大切な人が亡くなったら、世界で一番悲しい呼吸ができる人がいい。
でも、それに拘らずに、変化ができる人だ。
しかも、それをあまり意識せずに自然にできる人だ。
そんな事を分かってきたら、納得できることが一杯出てきた。
呼吸には、吸う、吐く、止めるくらいしかないのに、なぜあんなに沢山の呼吸方法があって
それぞれが一番大切だというのだろうと疑問を持ちながら訓練してきた。
禅や武術では、それに適した呼吸法がある。
インドで習ったプラナヤーマでは限りないほどの方法がある。
オペラ歌手から西洋の呼吸法も学んだ。
たくさんの「これが正しい」という呼吸法と出会って気がついた。
ある程度、いろんな種類の呼吸法を習得することが大事だということだ。
それは、自分の呼吸があんまり単純なパターンに捉われたくないからだ。
生きていくうちに、どんな生活をしているか、仕事をしているかなどによって、
呼吸のパターンが少なくなってしまっている。
そのパターンを壊すためにも、多少いろんな呼吸法を学ぶことが大切だ。
呼吸法を学ぶことによって、今の自分の狭い枠に捉われないようにすることに意味がある。
そして、もっと自由になっていくことに意味がある、と考えている。
だからと言って、ある時の僕のように呼吸法のコレクターになってしまっては、自由ではない。
生きていない。
呼吸法の中で大切な基本であるいくつかの呼吸の種類を習得して欲しい。
そういう思いで、6月は呼吸法を紹介する。
どんな生き方をするにも呼吸法を学んでおくと役に立つと信じている。
by 大内雅弘
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6月の水曜日のzoomワークショップは、「呼吸法」呼吸法の基本と簡単な気功です。